りりたろうのゆとりすと!

自称・世紀のゆとりが雑多に書き殴るスーパーゆとりダイアリー

ホラー苦手系メンヘラゆとりが話題の「ミッドサマー」を観た感想1(多分続く)

みなさん、お久しぶりです。

毎度お馴染みですが、元気なゆとり系メンヘラ女、りりたろうです。

 

タイトルにも書いたのですが、ホラーがドチャクソに苦手です。

びっくりするくらい苦手。

特に和ホラー…サイコホラーとか、まだ人間が犯人の作品はギリいけますが、たいてい無理です。

ビビリなので、ふとした衝撃で心臓が飛び出て死にます。

予告とかCMでもびびり倒して1週間は引きずるほどに苦手です。

 

それでも観てしまった。

それが、今話題の「ミッドサマー」

その界隈では「鬼才」と呼ばれるほどの監督が制作したというこの映画、知ってる人の方が多いと思いますが、とにかく「ヤバイ」らしいのです。

 

みんながヤバイヤバイ言ってるものってなんだか気になってしまう……

こういう怖いもの見たさ・興味本位で何かを覗くと大抵死にますよね、怖い。

なので、ある程度心の準備と友人の準備をして行くことにしました。

 

とりあえず、ネタバレにならない程度の前評判調査……

 

ふむ……

 

ガッツリ「ホラー」ではないみたいだし、軽く公式サイトを訪問したところ、衣装も可愛い。

もちろん、あの絵や、サイトから感じられる「不気味さ」は本当に未知数でしたが……

うん、確かに「ヤバイ」かもしれないな…え〜〜〜〜〜どうしよ、本当…

基本なんでも一人で行動できるゆとりですが、今回ばかりは無理だな…

友人…頼むよ……?

 

 

本当に観るか迷いに迷って、(直前になっても「ねぇ。やっぱりドクタードリトルにしない?」とか言う言い出しっぺ)結局お友達2人に付き添ってもらい、なんとか観てきました。

 

本当に私が映画館でみる最初で最後の「怖い映画」となりそうです…

 

 

以下、ネタバレを全く気にせずに、感想と気になったところを書いていこうと思います!

北欧の文化や、宗教等には疎いので、あくまでメンヘラ的目線・素人ながらの心理的・精神的目線で観た「ミッドサマー」を書いていきますので、「は?」と思っても怒んないで〜〜〜〜〜

ゆとりは褒めて伸ばそうね!頼んだぞ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、この映画、

まず第一に音の描写が凶悪。

観た人は理解してくれると信じて書きますが、精神的に追い詰められてたり、本当に余裕がない時ってあんな音の聞こえ方するんですよね…

 

なんだろ、あの、確実に聞こえてるはずなのに聞こえない感じ…

かと思うと音情報が多すぎて混沌の中に一人取り残されるような孤独感…

 

流石にドラッグ経験はないので、その際の世界の見え方とか聞こえ方はわからないんですけど、不安を抱えている時の人間の世界の聞こえ方や、見え方、色情報が忠実すぎるんですよ…

あれを映画館という閉鎖空間と音響設備でやられたらもう逃げ場がない。

元気なトラウマ製造機。

基本的にこの映画、音の主軸もやっぱり主人公の女性:ダニーだと思うんですが、本当に彼女の精神状態とのシンクロが凄すぎる……

 

特にプロローグ…彼女は家庭のことで抗不安薬を飲むほどに追い詰められていて、彼氏:クリスチャンに精神的に頼りきり……かと思うとそんな自分を突然客観視してしまって女友達に「私、彼に頼りすぎてない?重い女だよね?嫌われちゃうよね」と電話で泣きついていたり……

はい、元気にメンヘラです。

でもさぁ、これは私の意見なんですが、人間誰しもダニーと同じ状況だったらメンヘラにもなっちゃうと思うんだよね……

確かにクリスチャンに頼りすぎ?と思ってしまう気持ちもわかるけれど、長い時間恋人として付き合う気があるなら受け止めてあげる気概も持てよ…

まぁ、他人ごとだから言えることですけど…

クリスチャンもクリスチャンで「別れたい」気持ちはありつつ、精神的に不安定な彼女から離れるのが「怖い」と感じているのでは?と思いました。

彼女は家族のことで悩んでいて、追い詰められている→今は自分しか心から頼れる相手はいないだろう→そんな時に別れを切り出して、万が一彼女に何かあったら自分の責任になってしまう…

くらいのことを考えるでしょう。そうでなかったら別れを引き伸ばす意味がわからない。

彼女を崩壊させる最後の一手にならないための努力を彼はしていた気がします…

まぁ、本当に愛していたという線もあって欲しいですが、彼女の家族が亡くなったあとの彼の反応を見るかぎり……うん……

 

脱線してしまいましたが、ダニーの精神状態と音情報のシンクロ率が異常すぎて、観客への追体験 の強制力が高すぎるんですよね。

だから、この映画を観たあと「疲れた」という感覚になるんだと思いました。

まじで、精神状態が不安定な時の世界の見え方を熟知しすぎている、本当に……

 

そして、ホルガ村での音。

アカペラでの民謡や、弦楽器・打楽器を用いた舞踊曲が作品を彩りましたが、これもやっぱりどこか不気味。

民謡は、気持ちが悪いと思う最適の部分で一度切れて、再び始まり、

舞踊曲は目が回るような画と併せて最適な酩酊感を演出してくる…いや、凶悪すぎん????

 

さらにはダニーが初めて号泣し、嗚咽を漏らし、過呼吸になるまで泣いたシーンや、マヤとクリスチャンの儀式的な性行為シーンの共鳴的な村人たちの音声。

 

確かにこれは「セラピー」だなと。

 

「セラピー」と呼ばれる由縁はここかもしれないと……

前者はダニーの嗚咽に、後者はマヤの喘ぎ声にあわせて同じように女性村人たちが声を出して共鳴していくのですが、

どちらも「共感」「同調」を象徴してるのかなぁと思えました。

人間は基本的に共感してもらったり、同調してもらえることに「癒し」を感じてしまう生き物なんだよなぁ、仕方ないよぉ…

 

「自分」を理解して欲しい、受け入れて欲しいといった欲望を抱えているはずなんだよ…にんげんだもの

 

この共鳴の音声は、外部から見るとどうしても不気味で、ロケーション的なアレもあって儀式的に見えてしまいますが、共鳴の根元の人間にとっては安心する要素なのかもしれません…

そう考えると、それを音で表現し、しかも最初はばらけていた「共鳴」が徐々に収束して、ほぼ一つの音色にまで変わっていく様は本当に技法としてやっているとしたら、ゾッとするほど人の心を知りすぎているなと思いましたね……

 

多分笑って観てた人もいると思いますけど、ダニーまたはマヤの立場だったらアレで安心しちゃうと思います。

だって、あの時ダニーは家族を失って天涯孤独になり、頼れるのは彼氏のクリスチャンだけだったのに、(彼女からみて)彼はダニーを裏切ったんですよ…

彼女なりに抑えてきた感情が爆発するのはあの場面が初めてなんです…

そんな時に共鳴して寄り添ってもらえたらそれは「救い」になってしまうよなぁ……

マヤだって自ら望んで、外部の者との性交渉に臨んだわけですが、処女ですからね。

不安でしょうよ、そりゃ。

痛いでしょうよ…あの感じだと普通に挿入だけやってましたし…まぁ、あの村、かなりドラッグに精通していたのでその辺もなんとかできそうだとは思いますけど……

なんか、咲いてた花もアヘンとかに似てた気がするし…

 

あのシーンはどうしても笑いを誘ってしまいますが、今考えると、村の女たちで「初めて」を迎えるマヤを励ましていたのかなとすら考えてしまいます。

共鳴していれば、最中でも聞こえるわけですし…

 

そう、この映画、音の演出もさることながら、共感とか同調とか

そういう描写がすごく多いんですよ…

 

なんとなく観た感想として、ダニーはメンヘラで彼氏や友達に対してヒステリーになっちゃうところもあるけど、それをきちんと自覚していて、「だめだ、こんなんじゃ嫌われてしまう」とか、そういう思考を日常的にしているタイプだと思うんですよね。

 

日本人にも多い溜め込み型のメンヘラ

 

ある程度自分に厳しくて、正しくありたい、強くありたいって思ってしまうタイプに多い気がします、違ったらごめんな。

 

感情を完璧に抑えることができないほどに追い詰められているくせに、他人からどう思われているかを気にしてしまうタイプ…

 

本当にお前……今は生きてるだけで偉い存在だからな?本当…

 

いやぁぁぁ、ここの感情の描写。

本当に繊細すぎて怖かった……

他人の顔色を伺うダニー目線のカメラワークよ……えぐ…

結構メンヘラって世の中から疎まれる存在だし、特に大人になったら感情を出すのはみっともないことって定義されてるからかな……

本当にダニーは感情をうまく出せてなかったと思う。

終始口元はへの字だし、笑っていても目の奥は泣いているような表情が見えた…

そんな演技ができる女優さんも半端ないんだけどさ……

そんな彼女が最後に見せた笑顔が本物だったってのが本当にえぐい。

多くの人が「やばい」って言ってる村だけど、彼女はあの村に救われてしまった…

村人の共感表現もえげつないけど、ハーメルンの笛吹男こと、ペレもすごい。

家族を失ったダニーに対して「僕も両親を火の海のなかで失った。だから僕らは一緒だよ

いや、同一視がすぎない???????

でも、これで救われる気持ちもあるんだよな……

私みたいに捻くれてたりすると、

「いや、状況も家族構成も死因もみんな違うよね?何が一緒なの?失ったという共通項はあるけど今現在、この状況で家族を失った気持ちがあなたとは同一と思えないんだけど。」

とか言ってしまい、最終的に死にます。

 

本当さ、ここの村人、すごい共感するし同調するの。

ショッキングな身投げのシーンは確かに村人静かだったけど、取り乱すダニーや友人に対して、神官長?的な人が宥めるように共感の言葉を出していたし、ラストシーンの生贄が燃やされるシーンでは、炎に包まれて苦しみ苛まれる状況に共感して、泣き叫ぶ村人たちが描かれていた……

すげえよ……

共感してもらってる、理解してもらえるって最高の悦びだもんな…… 

 

やたら「家族」を強調するのも気になった…

血縁はなくても「家族」

いや、海外の人と仲良くなると、「あなたはもう家族よ!」「兄弟だ!」とか言ってくれるのは珍しくないから、最初はその表現なのかなって思ってた。

普通にホルガ村人以外の「外部の者」もその紹介に怪訝そうな顔とかしなかったし…

でも、この作品、ダニーは「家族」を失ってるんだよなって考えると……

ペレの誘導があったけれど、頼りの彼氏も「守ってくれる」という安心感はない。むしろ「置いていかれるかも」という不安感の方が強い…

その状況で、家族だと迎え入れてくれて、自分のありのままの感情を受け入れてくれる存在に出会ってしまったら……それはもう、彼女にとっては「救い」以外の何物でもないな……凄まじいよ……

 

 

公式はこの後どうなったのかは各自考えてね!!って陽気なこと言ってるけど、天涯孤独となった彼女は感情を開放した喜びに勝つことはできないと思う……

それに、彼女はもうあの村の「家族」になってしまったからな……

 

 

もうこんなに書いてしまった…

書き忘れとか全然あるかもだけど、眠いし今日はこの辺で……

また続き書くかもしれん……

本当チラ裏で申し訳ない…またね、多分かく…

ミッドサマー……すごい考えることがいっぱいな映画です。